転職が当たり前の時代になりましたが、年齢が上がれば上がるほど転職が難しくなる状況は今も昔も変りません。
一方で、若いからといって転職が必ずしも成功するとは限りません。
社会経験が少ない故、若気の至り、世間知らずのため転職失敗した人も少なくありません。
当特集では20代で転職し、「転職失敗した」という体験談を多数紹介しています。
先輩達の経験談から転職失敗の回避策を学びましょう。
給料が上がらないから転職したはずが
●28歳 既婚男性 Aさん
・大学卒業後、電機メーカー子会社に営業職として就職（年収300万円）
・26歳でコールセンタースタッフに転職（年収400万円）
大卒で入社した会社は、安定してそうという何となくの感覚で選んだ会社でした。
仕事は午前様も珍しくないほどの忙しさでした。ただ、忙しいだけであれば我慢できたのですが、ある日、上司の年収を知ってしまい転職を決意しました。
私よりも10歳以上年上の上司の年収が私と大差なかったのです。
下手すると年間で数百円かアップしていないのではないかと思える程の低い年収でした。
幹部社員になった後も大して年収はアップしなそうな雰囲気で、多分かなり平均年収の低い会社だったのだと思います。
その頃に結婚した妻と私の年収は同じくらいです。今後はおそらく妻の年収の方が圧倒的に高くなっていくと思われました。
プライドというわけではありませんが、せめて妻と同等の年収ではありたいと思い、転職を考え始めましたが、仕事が忙しく転職活動はままなりませんでした。
今の会社で働きながら転職活動するのは無理だと考え、入社５年目の26歳で会社を辞めました。
転職市場は売り手市場と言われており、私もすぐに仕事が見つかると思っていましたが、現実は私の予想をはるかに超える試練が待ち受けていました。
半年間の転職活動は、私にとって地獄のような日々でした。経済的な不安や将来の見通しの不透明さが私を追い詰め、焦りが心を支配しました。
すぐに新しい会社が見つかると思い、会社を辞め…
「会社を辞めても、すぐに新しい仕事が見つかるだろうと思っていました。しかし、それは甘い考えでした。結婚したばかりで、生活費も不安定だったため、早急に収入源を見つける必要がありました。友人や知人に連絡を取りまくり、転職サイトや求人情報も積極的に活用しましたが、なかなか理想的な条件の仕事には巡り合えませんでした。妻が支えてくれることに感謝しつつも、自分の立場が心苦しく感じられました。」
焦りと経済的なプレッシャーが私を追い詰める中、やむを得ず契約社員のコールセンタースタッフの募集に手を出すことになりました。
「前職よりも年収がアップすると聞き、一気に心が動きました。正社員の安定性は頭では理解していましたが、その時は早く安定した収入を手に入れたかったのです。契約社員でもすぐに採用されると言われ、その言葉に頼りながら応募しました。」
入社当初は順調に思えました。給料も前職よりも増え、一見すると成功した転職のように思えました。しかし、次第に私は不満を募らせ、やがて後悔の念にさいなまれることになりました。
「給料ばかりを追い求めて、将来のことを考えていませんでした。契約社員であることで、昇給の見込みもないことに気づきました。自分がどれだけ無計画だったか、その時に気づいたのです。状況が悪化する中、私の甘さに気付けなかったことが、今でも悔やまれます。」
私の苦悩は止まることを知らず、絶え間ない不安と後悔が私を苦しめ続けました。ただ、その経験から私は貴重な教訓を得ることができました。給与だけでなく、将来のキャリアプランや安定性も見据えなければならないことを。そして、焦りとプライドに惑わされず、慎重に次なるステップを踏む必要があることを。
目先のことに目を奪われず、再度の転職
Aさんは、転職の失敗について深く反省しています。彼は当初、自身の焦りや世間体に囚われて、目先の給与や地位にこだわってしまいました。その結果、「転職失敗談」と呼ぶべき選択をしてしまったのです。
彼は今でも、その選択が彼のキャリアに及ぼした影響を悔やんでいます。若いうちに貴重な経験を積むべきだったと振り返り、契約社員としての期間が無駄に過ぎたと感じています。当時は、給与や地位の向上に焦点を当てていたため、将来における成長や専門知識の獲得を軽視してしまったのです。
彼は再び転職し、正社員としての道を歩み始めました。
しかし、今でも転職失敗の影響が尾を引いています。新たな会社では、勤続年数に応じて給与が決まるため、契約社員としての期間が給与に反映されないことになります。若い時に着実に成長する機会を逃したことに加え、今の会社での給与や地位に影響を及ぼしていることに公開しているとのことです。
このような経験から、彼は転職活動において長期的な視点の重要性を痛感しました。給与や地位だけでなく、将来の成長や専門知識の獲得にも焦点を当てるべきだということです。彼の失敗談から学ぶべき教訓は明確であり、今後転職を考える20代の方々は、自らのキャリアに対する理想と価値観をしっかりと見つめ直し、じっくりと将来を見据えた選択をすることが重要です。
何よりも、仕事が忙しかったという事情もありますが、転職先が決まる前に会社を辞めてしまったのは良い選択ではありませんでした。
転職は水物です。
転職先が決まる前に会社を辞めたが、思ったように転職先が決まらず、生活のために希望水準を大幅に落として転職して後悔する人は非常に多いものです。
非常に優秀なのに、契約社員、派遣社員にしかなれず、その後も正社員になるために苦労することになる人も大勢います。つらくとも、会社を辞めずに転職活動をすることが重要です。
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